外装工事は長期的な目線でメンテナンスサイクルの長い工事を行うことが大切です。
メンテナンスは、大切な資産であるあなたのお住まいの状態を保つのに必要です。
そのサイクルを伸ばし、「いかに最終出費を抑えることができるのか」を考えましょう。
外装工事は先々のメンテナンスまで含んで考える
外装工事を行う際、ほとんどの人がその時の工事費用のみで値段の高い安いを判断してしまいます。
費用の安い工事は、素材と施工の質がやはり「それなり」になり、短い間隔で再度メンテナンスをする必要がでてきます。
つまりメンテナンスサイクルが短いことで、長いお住いの寿命の中でのトータルコストが増大するのです。
例えば、新築10年目、外壁の塗装が劣化したためにリフォームをすることを考えます。
住宅の寿命が30年程度と言われていますので、最低限30年お住まいになると想定しましょう。
7年程度の期待耐用年数の塗料で下地+2回塗り仕上げの工事をすると、総床面積30坪のお宅で60万円くらいでしょうか。
一方、耐用年数20年の金属サイディングを既存の外壁の上から重ね張りした場合、同条件で130万円かかるとします。
ただし、サイディングの裏には断熱材が充填されていますので、塗装より仕上げとしては高性能と考えてください。
塗装の場合、7年ごとに塗装工事をすることになりますので、30年間で3回外装工事をすることになります。トータル180万円です。
しかし、金属サイディングははじめの1回のみ130万円となり、その差50万円です。
住宅の寿命が30年という前提でお話しましたが、実はメンテナンスをすることで倍の60年以上を目指すこともできます。
もし35歳で新築住宅を購入した場合、30年後といいますと65歳。もう定年を迎えています。
定年後の収入が大幅に減ったあとに、50万円のメンテンナンスに充てる貯蓄の差は大きいのではないでしょうか。
使用する資材を見極める
高寿命、高耐久の外装工事をするためには、使用する資材への正しい知識が必要です。
近年では塗装やメッキ技術の発展により、塗膜変退色15年保証や赤錆・穴あき25年保証など超高耐久のカラーガルバリウム鋼板が登場しています。
※ガルバリウム鋼板とは、塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっきを施した鋼板です。
屋根・外壁メーカー各社、そのような高耐久の素材を用いて、外装材二次製品を製造しています。
流行がありますので、各社とも一見似たような製品で「何を選んでも一緒」「安い方が良い」とお考えになるでしょうが、違いがあります。
例えば、屋根材では重ね部分の「ハゼ」という鋼板同士を組み合わせるための引掛け代がありますが、その施工性の良し悪しがあり、施工スピードや止水性能に影響があります。
ほかにも、仕上げ面でない裏面に断熱材が貼られている製品が増えましたが、その断熱材自体の素材、成形技術、密度、貼り付け精度など、こちらも各メーカーでの特色があります。
経験豊富な専門工事店でも、一業者で施工する資材の種類はある程度限定されたものになります。
その資材にある程度特化する形で技術が確立されているという側面がありますので、その専門業者の評価が落ちるわけではありません。
しかし、やはり一施工業者が得られる製品情報には限りがありますので、製品をよく知る存在が必要です。
製品への知識の深さ、幅広さをもったアドバイザーとして金属外装専門材料店があり、そのバックアップ体制の有無が重要です。
日々、様々な施工業者と取引し、施工業者からのフィードバックを受けますので、メーカーからの製品情報のみならず現場からの実際の情報も多く持っています。
優良業者はそういった優れたアドバイザーも確保しているのです。
外装資材は紫外線や風雨に年中晒されながらも製品寿命が長いものですので、やはり材料にはしっかりとこだわる必要があります。
工事をお願いする業者が、資材に関して「優れた専門家」を擁し、適正な資材で施工するかを見極めましょう。
先々のメンテナンスを考えた計画と、長いメンテナンスサイクルを実現する最適な資材選びにより、賢くトータルでの支出を抑えましょう。