ほとんどの方が初めての経験となるため、金属外装工事にどれだけのお金がかかるのか見当もつきませんね。
金属外装工事をする業者選びの際には、どうしても費用や相場というものが必要です。

インターネットや雑誌で調べても、はっきりと答えは見つかりません。
当然、サンプルとして掲載されている施工内容があなたが希望する内容とは完全に一致することはないのですから。

金属外装工事を依頼する時に、予算を決める事が大切です。
それは「安物買いの銭失い」を避け、あなたの予算の中で最適な工事を実現するためです。
しかし、費用や相場というものがどの程度なのか分からなければ、そもそもその予算さえ組むことができません。

相場を見極める

金属外装工事の費用を調べるときに、どうやって調べるでしょう。
リフォーム雑誌?
インターネットで検索?

それらに掲載されている金額は参考になることはありません。
施工する地域、資材、業者によって大きくズレが生じます。

そもそも、相場というものはない

おしまい。

・・・失礼しました!

これでは話が終わってしまいますね。
しかし、これはある意味その通りで、「全国共通の相場」というものは作りようがないのです。

例えば、工事を行う現場までの道路が狭く、どうしても資材搬入のトラックや屋根荷揚げの重機などが入らない場合、どのように解決するでしょう。
答えは「手運び」です。

板金屋根の10mを超す長尺モノをトラックが停められる通りから人手で運ぶとなると、
・トラックの番に1人
・1回運ぶのに最低2人
・屋根上と足場上で待機して荷揚げするのに3人
・復路を待っているのが無駄ですので、運ぶチームをもう1つ作ればもう2人
屋根材を屋根上に揚げるだけで8名とその人工が必要となります。

手運びの距離にもよりますが、朝の3時間程度で終わる作業としても、すぐ別の現場にかかれるわけではありませんので、屋根材の荷揚げだけで1人当たり半日分の日当が必要でしょう。

また、各都道府県市町村ごとに工事単価は異なります。
概算が分かったところで同じ金額で施工できるとは限らないのです。

地元の業者で見積もりする

各都道府県市町村ごとに工事単価が異なることをお話しました。

つまりは、地域に根ざした業者だけが工事単価を知っているということなのです。
ですので、地元の業者に見積もりを依頼することによって、概算ではない工事の実際に則した金額が出るようになります。

もちろん実際に現場を見てもらった上での見積もりを取る必要があります。
現場の特徴から作業の効率が分かることで現実的な金額がわかります。

もし、地域の実際を知らない雑誌やネットの広告の金額を鵜呑みにしてしまうと、予算感を見誤ります。

相見積もりを取る

見積もりを依頼する際は、一社だけではなく、2社以上からとるようにしましょう。

複数の会社に見積もりをお願いすることを「相見積もり」と呼びます。
相見積もりを取ることで、あなたが住んでいる地域の工事金額の費用の相場が分かるようになります。

とはいえ、あなたに代わって3~7社に相見積もりをしてくれるといった「見積もり代行業者」に頼んではいけません。
実際には工事業者間での値段のたたき合いとなり、現実的でない金額を出してくることになるからです。
現実的ではない、というのは実際にはその金額では品質を保って完工できない、ということです。

例えば、本来ならば材料・施工だけで50万円の経費がかかる工事だとして、それを下回る例えば30万円で請負うという業者がいた場合、その本来の金額を知らないお客様からすれば、30万円の業者を選んでしまうことになるでしょう。
しかし、差額の20万円はどう補うことになるのでしょうか。粗悪な材料使用したり、必要な部材や工程を減らしたり、いわゆる「手抜き工事」をすることになるのです。

相見積もりは業者に依頼せず、あなた自身で行ってください。あなたのお住まいはその土地に世界で唯一つのものです。あなた自身の思う内容の工事に適した金額の相場感を養うことが大切です。

ただし、自分で相見積もりを取るにしても、数を多くしてしまうと基準が増えてしまい、結局工事内容より安い方へ考えてしまいがちです。
相見積もりを取る際は多くて3社まで、と考えておきましょう。

安さで選ばない

複数の会社から見積りを取る必要性は理解いただけたかと思います。
それでも、その値段の妥当性、比較方法に関しての考え方をまとめていないと、「安物買いの銭失い」をする可能性があります。

建築に安くて良いものは無い

工場での大量生産、海外の安い賃金の人員で作れる家電製品とは違い、建築の外装は現場で職人が作り上げるものです。
工事の代金とは簡単に言えば「材料費と職人の賃金」ですので、それを安く抑えるとなると職人が手を抜くか、質の低い安い職人に仕事をしてもらい、材料の質を落とすということになります。

材料はよほど大量購入をしてメーカーや販社に影響力を行使して値を落とさせない限り、何割も値段が下がるものではありません。

すなわち、「工事の代金を下げる」ということは「職人の仕事の品質を落とす」ということに他ならないのです。

腕の良い職人は安くしなくてもお客様が集まってきます。そして腕の良い職人は手を抜いてまで安い仕事を請けるわけにはいきません。もし工事後10年もしないうちにその手抜きが元で瑕疵など出てしまっては、「どうも手抜きをしたらしいぞ」などと、その後の悪い評判につながってしまいますので…。

対して、品質の低い工事しかできない会社は値段を落とさなければ仕事がありません。またそういった業者は安さが売りですので、ハッキリとは言わないでしょうが「安く仕事したのだから仕方ないよね」、とそういったスタンスで仕事をしているのだと考えておきましょう。

そのため、過剰に安さを追いかけてしまうということは、必然的に低品質な工事しかできない工事業者にたどり着いてしまうのです。

 

たしかに、安いことに越したことはありませんが、品質の悪い工事をされて雨漏りなどの実害が出てしまっては、そもそも何のために工事をしたのかわかりません。さらなる修繕工事を考えると、余分な費用がかかってしまいます。

 

まずはあなたのことを第一に考えてくれる業者に出会い、そこから工事の内容と予算とを検討し、その上で値段の交渉に入ることをお勧めします。

問題を解決する良い案を出す前に安さを強調するような、提案や仕事に対する自信がない業者に、あなたの大切なお住まいを任せることのないようご注意ください。

「適価」で考える

「しっかりした会社は高額なのでは?」

そういった考えになってしまわれる方も多くいらっしゃいます。

しかし、それは杞憂です。

例えば自動車を購入する際、ディーラーの人は誰でも彼でも高級セダンをお勧めはしませんよね。商品ラインナップからお客様の予算、希望、用途に沿った車を見繕ってくれます。まして、お客様の方でも「カローラの金額でクラウンをくれ」とは言わないはずです。

金属外装工事の優良業者も同じことです。

もし、どうしても予算が厳しいというのであれば、予算にあった工事内容での提案があります。

お見積もりを比較する際は、値段の高い安いはもちろんですが、各金属外装工事業者が値段以外の部分でどのような工夫をしてきてくれるのかを比較しましょう。

依頼する業者の選び方

金属外装工事の費用の相場の考え方、そして相見積もりとその見方の注意点を理解していただいたかと思います。

ここからは、依頼する業者の選び方から工事の発注の進め方をご説明いたします。

大手ハウスメーカー、工務店、リフォーム業者に依頼する

大手ハウスメーカー、工務店、リフォーム業者は、金属外装工事に限らずあらゆる面でお住まいのリフォームを請負っています。

インターネット、その他様々な情報を取れる現代ですから、

  • 実際の施工はその下請けの業者へ丸投げ
  • 中間マージンを取られるだけ

というイメージがあり、総合建築事業車への見積もりを避ける方が増えています。

しかし、大手ならではの資本力や外装工事に関わらない絶対的な施工数がありますから、それを基準としたあなたご自身の「相場観」「叩き台」として活用しない手はありません。

せっかく無料での提案をもらえるのですから、どんどん利用しましょう。

金属外装工事専門会社に依頼する

総合的な工事会社に見積もりを依頼した後は、やはり金属外装工事専門業者(建築板金業者)にも相見積もりをもらいましょう。

予算の相談についてはもちろんのこと、金属外装のことを知り尽くしている専門業者ならではの提案が受けられます。

ただし、専門業者とはいえ、知り合いに工事を依頼することには少し注意が必要です。

「普段お付き合いをしていて良い人だから」とはいえ、その人として良い人が腕の良い人とは限りません。知り合いであるが故に、問題が発生したときに「今後のお付き合いを考えてなかなか言いづらい」ということになる人が多くいるのです。

本当に良い人であれば、発生した問題にも真摯に向き合ってくれるとは思いたいのですが…。

仕事として金銭のやり取りがある以上、お互いに意見を言えることが大切です。

まとめ

金属外装工事費用の相場を求めることで、予算を明確にする方法を紹介しました。

金属外装工事は20年に一度行うかどうかの高額な買い物です。
そのため、じっくりメンテナンスサイクルも検討し、決して値段の安さで決めることの無いようにしましょう。

 

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